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農業白書*自給率向上が試金石だ(5月27日)
世界的な食料需要の増大にどう対応していくか-。日本の食と農の戦略が問われている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/28535.html
今年の農業白書は、冒頭で食料自給率の問題を取り上げている。
世界の人口は二○五○年には現在の一・四倍の九十億人を超える。経済成長が続く中国では食生活が多様化し、農産物貿易に影響を及ぼしている。
ガソリン代替燃料のバイオエタノールの需要増加が、原料穀物の高騰を招いている。その余波は、オレンジジュースやマヨネーズの値上がりといった形で表れ始めている。
自給率向上に取り組む意義を、白書はこのように強調している。
○五年に策定された食料・農業・農村基本計画は、食料自給率を十年間で現在の40%から45%(カロリーベース)へ引き上げる目標を掲げている。
自給率は特に目新しいテーマではない。それでもこの問題をあえて前面に打ち出したのは、経済界を中心に自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)推進論が勢いを増してきたからだろう。
特に米韓両国がFTA締結で合意して以来、「日本も乗り遅れるな」とばかりに、オーストラリアや米国といった農業大国を相手としたEPA推進論が幅を利かせている。
経済界は、国内自給にこだわらず、EPAを通じて食料の安定的な調達を図ればよいと主張する。こうした考え方が通れば、国内農業は壊滅的な打撃を受けることは明らかだ。
食料の海外依存度を高める方向では危うい。国内農業の足腰を強め、自給率を向上させるべきだとする白書の主張は妥当なものだ。
ただ実際に政策の効果が上がらなければ、こうした主張も説得力を欠く。自給率をみても食育や地産地消、食品産業との連携など工程表をつくってきめ細かく取り組んでいるが、上向く兆しは見えない。
品目ごとに交付してきた補助金に換えて、規模の大きな担い手を集中的に支援する品目横断的経営安定対策が、本年度からスタートした。国際競争に打ち勝つ効率的な経営を目指し、農水省が戦後農政の転換と位置付けている改革だ。
担い手となる認定農業者は二十二万経営体、集落営農は一万二千と着実に増加している。明るい材料ではあるが、改革の成果が出るのはいつなのか判然としない。
この間にも農家は高齢化し、耕作放棄地は拡大し続ける。農業総産出額も低落傾向にある。農業の危機は依然として進行中だ。
ここ数年の取り組みが、農業の将来を大きく左右することは間違いない。経営環境の変化に対応した改革のスピードが求められている。
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